山崎文庫展レポート
展示風景 感染症拡大防止のための臨時休館にともない、ご好評いただいていた企画展「山崎文庫展」は繰り上げ終了となりました。
 医学者・歴史家・コレクター…、幅広い分野に情熱を傾けた山崎正董(やまさき・まさただ)。このページでは、休館中に公式ツイッター(@Kuma_lib)へ掲載した展示会内容をご紹介します。
「山崎文庫」とは・・・?
展示風景
昭和25年、医学者山崎正董(1872-1950)の旧蔵書約9千点が県立図書館に寄贈され「山崎文庫」となりました。文庫内にはいろんな雑誌の創刊号ばかりを集めたコレクションがあり、全国でも珍しいものとなっています。
創刊号コレクション

展示風景崎文庫の創刊号コレクションには、大正14年創刊の『セウガク1年生』など、少年少女雑誌も含まれています。熊本医学専門学校教授、熊本医科大学学長などを勤めた正董は、初等教育にも強い関心がありました


山崎先生の写真帖(知人)

展示風景

記念写真が大好きだった山崎先生。山崎文庫に残されたアルバムには、歌舞伎役者の尾上菊五郎(6代目)や俳人・河東碧梧桐、言論人徳富蘇峰など、大正~昭和前期の有名人も登場します。


河東碧梧桐とともに◆右から
山崎正董
河東碧梧桐
後藤是山
〈昭和5年(1930年)11月7日正董の自宅にて〉


徳富蘇峰夫妻とともに◆前列左から、山崎正董、徳富蘇峰、徳富静子(蘇峰夫人)、山崎とね(正董夫人)
後列左から、松田方、後藤是山、仁藤泰一
〈昭和4年(1929年)5月21日正董の自宅にて〉

 

『肥後医育史』の刊行
展示風景熊本医科大学学長として忙しい最中、正董は、熊本の江戸から明治にいたる医学教育の歴史をまとめた『肥後医育史』(昭和4年)を刊行しました。
序文を寄せた徳富蘇峰は、これを「医育に関する文献の宝庫」と称えています。
愛娘の死と『筆をさがして』
展示風景山崎正董の著書『筆をさがして』は、22歳の若さで急死した次女・順子を偲んで書かれました。このエピソードは「熊本の心」広報テレビで見ることができます。
(RKKテレビ「熊本の心」ホームページが開きます)
熊本藩士 横井小楠

展示風景

あの坂本龍馬や西郷隆盛に大きな影響を与えた熊本藩士横井小楠。正董は、かつて否定的であった小楠の功績を正しく再評価しました。著書『横井小楠』は、現在でも小楠研究のバイブルとなっています。


貴重な記念写真

記念写真が大好きな山崎先生。旅行先でたくさんの写真を撮っては大切にアルバムに残しています。なかでも首里城ほか、戦前の沖縄の写真は大変貴重です。

沖縄守礼門にて
  ◆「守禮門」(那覇市)
   昭和8(1933)年4月8日撮影

首里城正殿の龍頭棟飾
  ◆「首里城正殿の龍頭棟飾」(那覇市)
   昭和8(1933)年4月6日撮影