令和元年度

企画展「山崎文庫展 医学・歴史・蒐集に情熱を傾けた山崎正董」
令和2年(2020年)
1月23日(木)~3月9日(月)チラシ画像1
(感染症拡大防止のため、2月27日に繰り上げ終了)

山崎文庫展レポート

 熊本県立図書館所蔵の“文庫”を紹介するシリーズ企画展の第3弾を開催します。
 昭和25年、遺族により山崎正董(やまさき・まさただ 1872~1950年)が蒐集(しゅうしゅう)した約9,000点の資料が県立図書館に寄贈され、「山崎文庫」と名付けられました。その内容は、歴史・文学・芸術に関する蔵書のほか、写真アルバムなど多岐にわたっており、なかでも雑誌の創刊号コレクションは貴重なものです。
 正董は、熊本医学専門学校の産婦人科教授、熊本医科大学長を長年務め、全国各地に優秀な医者を輩出しました。また、熊本医科大学(熊本大学医学部の前身)の官立移管や「肥後医育史」の出版など、熊本の医学界に貢献しています。チラシ画像2
 “医者”であると同時に正董は、国内外の貝類や瓦を蒐集する“コレクター”としても知られています。信念を曲げずにこだわりを持ち、医学者だけにとどまらず、歴史家・蒐集家と、幅広い分野に情熱を傾けました。
 このたびの展示会では、「山崎文庫」と山崎正董の功績とをあわせてご紹介します。


【主催】
くまもと文学・歴史館 熊本県立図書館
【協力】
熊本大学、熊杏会、熊本博物館

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会期中のイベントについては、こちらをご覧ください。
【展示室1】収蔵品展 アーカイブズにみるくまもと14

◇収蔵資料から熊本の文学と歴史の魅力をひもとく第14弾◇

◆生誕120年 詩人・蔵原伸二郎(くらはら・しんじろう)
◆殿様の教養 ~相良家の医術・武術~

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〈内容〉
 文学では、生誕120年の節目を迎えた阿蘇生まれの詩人・蔵原伸二郎を特集、伸ニ郎の詩集や自筆原稿を、その生涯に沿ってご紹介するほか、伸二郎と交流があり、詩集の装丁も手掛けた版画家・棟方志功からのハガキなどを展示します。
 歴史では、人吉藩相良家当主に伝えられた医術、武術をご紹介します。三種の家伝薬の製法・効能、やけどまじないといった一子相伝の秘法、馬術の秘伝書・タイ捨流の目録を展示します。

令和元年(2019年)11月27日(水)
 ~令和2年(2020年)1月12日(日)

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世界文化遺産登録1周年記念企画展「祈りの島 天草とその海」

令和元年(2019年)
9月19日(木)~11月10日(日)


 今年は「天草の崎津集落」が長崎の諸資産とともに世界文化遺産に登録されて1周年になります。
 今回の展示では、天草のキリシタンが遺した信仰具や彼らのことを記した同時代の資料などを通して、天草にキリスト教がどのように広まったのか、天草島原一揆に参加した天草のキリシタンとその信仰とはどのようなものだったのか。彼らが江戸時代の厳しい弾圧下でどのように信仰を維持していたのか、その実像に迫ります。
 天草におけるキリシタンの歴史を一つの切り口として、天草の人びとが守り継いできた祈りとは、そして私たちにとって祈りとは何かについて、改めて考えてみたいと思います。


祈りの島天草とその海


※毎週火曜(10月22日は祝日のため開館)、9月27日(金)、10月23日(水)、10月25日(金)は休館です。

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企画展「梶尾真治の世界」

令和元年(2019年)
7月18日(木)~9月5日(木)
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 珠玉の短編「美亜へ贈る真珠」でデビューして以来、第一線で活躍を続ける作家・梶尾真治。その旺盛な創作活動からは300を超える作品が生まれ、その世界は日に日に広がり続けています。
 次から次へとつむぎだされる物語。その舞台は地球、宇宙、過去、未来と様々ですが、なかでもここ熊本は、いくつもの物語で重要な舞台となっています。
 さぁ、梶尾作品を宇宙で一番楽しめるここ熊本で、“梶尾真治の世界(カジシンワールド)”をご堪能ください。

※毎週火曜、7月26日(金)、8月30日(金)は休館です。

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【展示室1】収蔵品展 アーカイブズにみるくまもと13

◇収蔵資料から熊本の文学と歴史の魅力をひもとく第13弾◇

◆世界のなかの西南戦争
◆没後70年長田秀雄/没後50年平川虎臣

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令和元年(2019年)
5月17日(金)~7月7日(日)


 今回、歴史では「世界のなかの西南戦争」をテーマに、世界的な電信技術や軍需産業の変化など、急速に進むグローバリゼーションと「戦争の産業化」に巻き込まれていく近代日本の姿を紹介します。
 文学では、(なが)()(ひで)()(ひら)(かわ)()(しん)を特集します。長田秀雄は今年、没後70年を迎える劇作家で、『(だい)(ぶつ)(かい)(げん』などの作品で知られています。平川虎臣は没後50年となる小説家・詩人で、農村に住む人々の心理に迫った小説『神々の愛』などの作品を残しました。自筆原稿や書簡などを通して、熊本ゆかりの作家を紹介します。

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【図書館ギャラリー】上妻博之が遺した写真〈天草郡〉
平成31年(2019年)
3月25日(水)~5月30日(木)

 熊本県史蹟名勝天然紀念物調査委員をつとめた上妻博之が遺した写真をテーマごとに展示するシリーズです。
 今回は天草郡を特集し、昭和はじめの富岡城や牛深、高浜の様子などをご紹介します。



 熊本県立図書館には、上妻博之が大正~昭和のはじめに撮影した939枚のガラス乾板が保存されています。のちに天然記念物に指定される老樹銘木や史跡・名勝、民俗芸能の写真など、およそ100年前の熊本の姿を知る貴重な写真コレクションです。



上妻 博之(こうづま・まさゆき)
 明治12年(1879)11月28日
   ―昭和42(1967)7月23日

 託麻郡健軍村(現熊本市)生まれ。植物学者、郷土史研究家。熊本師範学校卒。十代から郷土の人物等の事跡を調査、帆足長秋らの国学や細川藩の歴史などを研究し、史料を集めては書写する日々を送る。九州学院に博物学教師として勤務。牧野富太郎に出会い、植物研究を開始。熊本記念植物採集会を創設し、後進の指導・知識の普及に取り組んだ。文化一般に精通し、植物・歴史の双方から郷土熊本を検証、その成果は熊本の地域研究の基礎となっている。
 勲四等瑞宝章受章、熊本県近代文化功労者。